大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)1272 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人細田綱吉同橋本順の上告趣意第一点について。

所論の銃砲等所持禁止令が昭和二〇年勅令第五四二号ポツダム宣言の受諾に伴い

発する命令に関する件(同年一二月八日貴族院において、同月一八日衆議院におい

てそれぞれ承諾を与えられ法律と同一の効力を有するに至つた緊急勅令)に基ずく

ものであつて、憲法に違反するものでないこと、従つて銃砲等所持禁止令違反の事

件については日本の裁判所がその裁判権を有するものであることは当裁判所昭和二

二年(れ)二七九号同二三年六月二三日大法廷判決の趣旨とするところである。さ

れば、第一審判決は裁判権のない事件について、違憲の法令を適用したものである

もの独自の見解に立つて控訴を棄却した原判決を目して違憲のものと呼ぶ論旨はそ

の前提を欠き明らかに刑訴四〇五条所定の上告適法の理由にあたらないし、同四一

一条を適用すべきものとも認められない。

同第二点について。

しかし、第一審判決は被告人の所持していた拳銃は米国製拳銃である旨を認定し

たのにとどまつて、それが占領軍の財産であることを認定してはいないから、第一

審判決には所論のような法令の適用を誤つた違法は存しない、又被告人が占領軍の

財産を不法に所持していたということは公訴事実に包含されていないこと起訴状の

訴因、罰条の記載に徴して明らかなところであるから、所論の事実は第一審の審理

の対象とされていないものであるといわなければならぬ。されば所論の事実を認定

しなかつたからといつて第一審判決には所論のような事実誤認のかどは存しない。

従つて論旨は第一審の判示にそわない事実を前提して同判決の法令違反と事実誤認

とを主張して同判決を是認した原判決を非難するに帰するものであるから、刑訴四

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〇五条に当らないのは勿論同四一一条を適用して職権で原判決を破棄しなければ著

しく正義に反するものということはできない。

よつて刑訴四一四条同三八六条一項三号に従い裁判官全員一致の意見で主文のと

おり決定する。

昭和二六年二月八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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